最近ではドローンも小型なものがでてきて身近なものになってきていますが、
小さなドローンは飛行時間も長く、小回りが利きますが、映画撮影では立派な最高級の大きな重いカメラを積むため、ドローンも大きなプロ仕様のものになります。
そうなりますと重い分、一度に飛ぶ時間も12分間とかと限られてきます。
しかも風とかによって微妙に変わってきます。
さて、そこで蒸気機関車が走ってくるシーンを撮影しようということになりました。
この年代ものの機関車は観光用に一ヶ月に1~2本しか走っていません。
しかも、その広大な景色が入るポイントの通過は一回のチャンスしかありません!
DEAD OR ALIVE ,, ALL or NOTHING 、一発勝負!!
といった一回きりのチャンスです。
何度か練習をし、スタンバイします。
しかし、その大きなドローンは「飛べ!」といえばすぐにスッと上がるのではなく、微妙に時間がかかります。しかも高いところまで上がってスタンバイしなくてはなりません。
美しく機関車がカーブで入ってくるところの撮影ポイントは、電波の入りにくいトスカーナの山奥。携帯の電波も、トランシーバーも微妙です。
しかもイタリアの機関車です。時間通りに正確に発車するとは限りません。
機関車が発車したら連絡をする人。途中の橋で通過したら連絡する人、などとスタッフは別れます。
よりによって天候は、数分ごとに変化するほどの気まぐれ状態。雨が降ってきたら終わりです。ドローンは飛びません。強すぎる風もダメです。
機関車の待ち時間、しかも雨がポツポツ降ってきました。
そして、いよいよ機関車が前の駅を発車との連絡が。
ドローンを飛ばしました。
微妙に早く飛ばしすぎた感がありましたが、もう遅いです。
一度降りてまた上がるということは時間的に無理です。(バッテリーの交換に時間がかかります)
高く上がっていきます。
高く高く上がっていきます。
「ブーンブーン」と音が響きます。
私たちはカメラに映らないように茂みに隠れながら機関車がくるのを待ちます。
まだ来ない?
「ドローンはまだ大丈夫か?」
もう10分は飛ばしているような、、、そろそろ限界か?
ドキドキハラハラの中、
「シュシュッ、シュシュッ」

(写真の機関車は止まっている時のものです)
やっと機関車がきました!
汽笛も響きます。
美しく煙のアングルも最高です。
ドローン飛んでいます。
奇跡的に太陽の日差しもありました!
そして無事ドローンが降りた時は、拍手と感動で、皆が笑顔になっていたのでした。
今思い出しても手に汗握ります。
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